引きこもりの真っただ中、高校生のO君が・・・

彼が高校生の頃だった。

ご両親と姉と4人家族でした。地域の中での縁で
お父さんとの語らいから親しくなった。

そんな時にバイクで走行中の事故でお父さんが
亡くなられてしまいました。
ご家族の悲しみを励ますことが増えました。

O君とは家庭訪問するたびに声をかけてきましたが、
自閉症、引きこもりの症状があるとお母さんから聞きました。

いつしか私が訪問すると話を聞いてくれるようになり、
黙って聞いてくれるだけでも嬉しいのでたびたび出会いを
重ねました。

そんなある日お母さんを介して電話がありました。
彼いわく「心で祈っていれば、努力は必要ないと思うので
これからは努力はしない」と自分の声でしっかりと自己表現を
してくれました。
「君が電話をしてくれて自分の考えを話してくれたことが
なによりもうれしいよ」と言ったあとで、

「だけど祈ることの大切さはわかるけれど、やはり努力も
必要と僕は思うよ」と話しました。
「電話をしてくれてありがとう」と・・・

しばらくぶりにお母さんから息子が東京の学校へ行きました。
とのことでした。
それ自体を驚きましたが、それと共に自立の一歩を自分で
行動できたのか心配ながらも安堵の思いがありました。

長年月経ながら時折お聞きする中でびっくりポン!が
ありました。なんと大学を出て、医者になり大阪の
あるところで働いています。

それからさらに数年を経て兵庫県で診療所を開業して
頑張っています。と・・・

何と!精神科の診療所長で現在も活躍中です。

日本では心理カウンセラー、メンタルトレーナー等の専門家が
無かったり少ない30数年前のことです。
しかしながら、私にとっては最初の心のケアを具体に関わりを
した思い出のO君でした。

実はあれ以来ご本人には再会していないのですがお母さんから
近況をお聞きして一人で安心と喜びをかみしめています。

私は現在までに関わった多くの人たちが元気で生活をなさって
いればそれが一番として、社会で成功される姿を知るだけで
十分だと決めています。

そしてよろず相談事をはじめ悩みやピンチになった方々が
必要とされた場合だけが出番と心得ています。
1年365日心構えをしています。

今シニア世代になり、あの日あの時の良き出会いとご縁を邂逅
するのも良き時かと思いまして思いのままに綴っていこうと
考えています。

あれから30幾星霜を経た今は・・・

さて、今年はO君を訪ねてみようかと思っている。

後記

友人知人のご相談でうつ病、統合失調症、パニック障害そして性同一性障害、アルコール依存症 等々人生万般にわたり関わりを続けていますと「病や悩み」こそがご自分を大きく幸いへの転換軸になると確信できるようになりました。

それが私自身の成長につながっていると感謝しています。

終わりまでお読みいただきありがとうございます。

心とからだのカウンセラー石井 寛

 

 

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